このレビューはネタバレを含みます
原作既読
原作が好きなので映画も楽しみにしていたんだけど、やっぱり面白かった!
分かり辛い物語なので解説・考察すると。
※ネタバレありです。
銃乱射事件に巻き込まれた主人公とその友人。犯人がどちらかを撃つと言って、友人は『自分を撃って欲しい』と言う。犯人は主人公に『お前はどうなんだ』と訊く。
その瞬間から、主人公が犯人に答えるまでの数秒間を描いた物語。
主人公が犯人に返答するまでに、過去のことを思い出したり、友人を犠牲にして生き残った場合の将来を想像したりする。それがこの映画。
で、犯人に問われた瞬間は主人公は死にたくないと思っているんだけど、過去のことを思い出したり、未来を想像していくうちに心境が変化していく。その過程を凄く丁寧に描いている。そこがこの映画の本来の主題なのだと思う。
ただ、この映画の分かり辛いのは、未来のシーンを観ている側は時系列が移動したと思ってしまう点にある。ただ、それは制作側がそう思わせるようにミスリードしているからなんだけど。
で、最後主人公が『自分を撃って』と言って実際撃たれるので、シャマラン的などんでん返しがある映画みたいな印象になってしまう。
ただ、この映画の良い部分は前述の通り、主人公の心境が変化していくところにあるのだと思う。
原題がネタバレしているので英語圏なら観る前に理解できたと思うんだけど。邦題が微妙なんだよなあ。
中絶や自己犠牲など宗教的な要素も多分にあるストーリーなんだけど、脚本は本当に良く練ってある。映像面の綺麗さ、音楽も良いし、キャストも凄く良かった。
マイナーな映画だけど、とっても面白かった!