ハーベイ・カイテルのタバコ屋が舞台の『ブルー・イン・ザ・フェイス』を観た流れで、同じくタバコ絡みの本作を長いクリップから解き放って鑑賞。
『ブルー~』にも出演していたジム・ジャームッシュが『ダウン・バイ・ロー』の頃から十数年の間に撮り貯めたモノクロ短編全11話をまとめたオムニバス映画。
ハハハ、面白かった。
どの話も舞台はカフェ、2~3人の登場人物がコーヒーとタバコで会話するだけですが、これがミョ~に可笑しい。
登場人物の名前も演じている俳優と同じで、まるで本人を演じているようなのも面白い。
あきらかに即興で脚本なんて無さそうな『ブルー~』と違い、本作はいちおうそれなりに脚本が存在する印象(ビル・マーレイは完全アドリブっぽいですが)。
個人的にとくに印象に残ってるのは以下のとおり。
第2話のスティーヴ・ブシェミに「あんたらヘッケルとジャッケルに似てるね」と言われたときの双子(スパイク・リーの弟と妹)の表情。
第3話のイギー・ポップとトム・ウェイツ。
この二人は歌手だそうですが、私はどちらもジャームッシュの映画でしか知りません。この回は発表当時カンヌで短編賞を受賞してるとか。
前から思ってたんですが、トム・ウェイツってロン・パールマンに似てません?
第4話のカフェの壁に貼ってあったヘンリー・シルバのポートレイト。
第7話のケイト・ブランシェットの一人二役は、撮影に一番時間がかかったと思われます。
第8話のカフェの壁に貼ってあった虚空を見つめるリー・マーヴィンの肖像画。
エンドクレジットでは“Respect”として、上記の他にも劇中に名前や写真で登場した有名人たちが列挙されます。
しかし、もうしばらくすると禁煙という言葉すら通じなくなるんでしょうか。
この映画、タバコは美味そうだけどコーヒーはちょっと不味そうです。
でもやっぱりコーヒー&シガレッツは最強。
私は数年前から禁煙してますが、老後の資金不足のため、長生きしすぎないように定年退職したらまた吸い始めようと計画しています。