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コーヒー&シガレッツのzukkiのネタバレレビュー・内容・結末

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

こんなに身内ネタが盛り込まれた作品とは思わなかった。スティーヴ・クーガンが出てるせいで、だんだんベン・スティラーのコメディと似た笑いが込み上げてくる。ビル・マーレイって他の映画でも「会えると少し嬉しいレベルの有名人」扱いされてなかったか…?ギャグもまあ言葉の選び方が巧みで何度も笑えた(特に1話目)。会話の間の作り方を、俳優も編集も徹底的に理解しているのだと思う。

その一方で、演出の丁寧さには驚いた。ここでクローズアップ、ここで引きというポイントを絶妙に突いてくる。特に『いとこ同士?』の演出の選択。引きのショットを継続し、いやな緊張感とクローズアップになれないもどかしさを煽ってくる。
勝手にもっと粗暴な造りの映画だと思い込んでいたので、余計に驚いてしまった。これはちゃんとユーモラスな会話劇をやろうとする、ちょっとお洒落なガワだが定番のアメリカ志向映画だったのだな。

そして、まさしく「コーヒー&シガレッツ」な、テーブル真上からのショット。コーヒーカップと灰皿もまるで登場人物のひとりかのように映し出す格好の良いショットは、全体の空気感をちゃんと作っていた。

こういう軽妙な会話がメインの作品は往々にして苦手だが、これは観て良かった。
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