カント

レオニーのカントのレビュー・感想・評価

レオニー(2010年製作の映画)
4.1
芸術家イサム・ノグチの母レオニー・ギルモアの、さすらいの人生を描く史劇。
歴史好きならニヤリとする偉人との交流がいっぱいです。

1901年(明治34年)
レオニー・ギルモアは、NYのヨネ・ノグチ(詩人、野口米次郎)と編集の仕事を通じて出会う。
1904年(明治37年)イサム出産。

1907年(明治40年)
レオニー来日。
ヨネ・ノグチは、当時の日本では当たり前の一夫多妻を謳歌していてレオニーに冷遇。
※男尊女卑を冷遇と感じるのはアメリカ女性なら当たり前。マッサン(NHK朝ドラ)の奥さんも苦労してましたね。
※でも当時のアメリカでの日本人の差別に比べたら大した事ないかも。

英語の先生として生計を立てる。
生徒は岩倉某、仙田某、川田某、
仙田某が岡倉覚三(天心)を話題に出す所はニヤリ。

ラフカディオ・ハーンの長男にも教授。
ラフカディオの妻は…
往年の「三択の女王」
    ↑
この言葉を知ってる人は昭和を満喫した人。

八重の桜にチラリと出ていた津田塾の梅子先生とも交流あり。

レオニーは様々な場面で機知を得て、日本での生活を乗り越えていく。
全ては息子、イサムの為に。

イサムが望む医学の道で凡百の人生を歩むより、芸術家の道を提示するレオニー!
彼の天分を見抜いていたのでしょう。

大きくなったイサムが父・米次郎と
再会するのはフランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル!
(愛知県明治村に現存)
こう言うオマケが楽しい。

ラストは…
時空を超えてイサム・ノグチの手掛けたスカルプチュアの前に佇むレオニー。
さすらいの人生から解き放たれて永遠の刻を楽しむ様が、とても良い。

レオニー役のエミリー・モーティマーの物憂げな表情って、いつ見ても最高!
2015-8-3
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