クリーム

摩天楼を夢みてのクリームのレビュー・感想・評価

摩天楼を夢みて(1992年製作の映画)
3.8
面白いけど、渋い映画。豪華キャストで、名優達の演技合戦は見応えあり。とても楽しそうに演技する名優達に注目して観ると楽しいです。登場人物は全員ゲスくて、崩壊した職場。過酷な生存競争を強いられる不動産会社のセールスマン達の悲哀と戦いが面白く、話の展開も秀逸です。
NYの不動産会社の支店で働く5人。成績優秀なローマ、かつてはやり手だった最年長レーヴィン、愚痴ばかりのモス、弱気なアーロナウ。そして、彼等を纏める支店長ウィリアムソン。 激しい雨の夜。ローマ以外の3人は本社から来たブレイクに成績不振を叱責され、今晩契約を取ってこいと言われます。1位にはキャデラック、2位にはナイフセット、そして3位はクビという賞品が用意され、それぞれが動き出すのでした。




ネタバレ↓




レーヴィンは外れの顧客情報しか貰えず、支店長に直談判し、優良顧客情報を渡して欲しいと懇願するも断られます。モスとアーロナウは諦め、支店長の事務室から優良顧客情報を盗み出して転職しようとしていた。翌朝、成績トップのローマが昨晩も契約を取り出勤すると、事務所が何者かに荒らされていた。そんな中、夜通し営業に回ったレーヴィンは契約に取ったと上機嫌で入って来る。
暫く2人やローマの顧客リンクとの会話が続くのだが、事務所での取り調べから出て来た支店長の不用意な発言からローマの嘘がバレ、リンクとの契約が破棄されてしまう。
ローマは激しく支店長を叱責し、レーヴィンも彼を罵倒する。しかし、話の中からレーヴィンが昨晩、事務所に侵入した事がバレます。レーヴィンは、モスに誘われて窃盗事件を起こした事をあっさり打ち明ける。彼は、支店長を金で買収しようとするも失敗し、おまけに彼のクライアントはブラックリストに入っている顧客で、彼の契約は紙クズ程度の価値しかなかったと、知るのだった。 一夜の栄光も水泡と帰し、おまけに犯罪者となってしまった。 すべてを警察に告発された彼は肩を落として取調室へと入っていくのだった。
事務所のシーンからの展開が凄く面白いです。見下したり、罵倒されたり、称えたりして関係性がコロコロ変わって行くのが面白い。 アル·パチーノ、ケヴィン·スペイシー等が、自分の役をこれでもかと仕立て、まくし立てる中、押さえ目でゲスいが、憎めないレーヴィンをジャック·レモンが、スッと差し込んで来て、最後には全部さらって行く。あっぱれでした。おじさんしか出て来ない激渋な映画ですが、面白かったです。
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