このレビューはネタバレを含みます
白人vsインディアンみたいなシリアスなのかと思ったらかなり変わってた。
121歳のじーさんが110年前から遡ってその数奇な人生を語り始める。
じーさんは子供の頃に姉と共にインディアンの集落に助けられたが姉は脱走。インディアンに平和に育てられるが…
❶インディアンの養子。
↓
白人の神父の養子になるが、
養母がアバズレ(フェイ・ダナウェイが最高)
で信仰を失う。
↓
詐欺師と組んでヘビのオイルを売る。
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姉と再会してガンマンになる。
天才的な銃の腕を持ちながら人を撃つことができない。
(ここで姉に捨てられるのは二度目というのが切ない)
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スウェーデン人と結婚。
↓
色々あって❶に戻る。
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白人とインディアン行ったり来たり…
波瀾万丈とはこのことで、実に独創的なお伽話のよう。あらゆる立場を経験して、文明人でいることの利点、欠点をホフマンは小柄な体格を活かしてコミカルに演じきっている。その都度コスプレのように衣装が大胆に変化していくのも楽しい。
彼のアイデンティティはどこにあるのか。
インディアンの大虐殺。価値観は時代や立場によって変わるもので、当時の白人にとっては誇るべき出来事であっても、今日では恥じるべき出来事に変化した。この重厚なテーマを実に軽やかに描いていた。