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さすらいのotomのレビュー・感想・評価

さすらい(1957年製作の映画)
4.2
さすらってるイタリア人と激しいイタリア人たち(特にガス屋の女、ドリアン・グレイ! 凄いネーミング)。不毛かつ荒涼とした風景の中を行く孤独。見方を変えて目の前の現実に満足できれば、あるいは幸福にもなれるのだろうけども、愛に傷ついた人間を癒すのは時ですら難しい。成り行きながら、積み上げてきたものを半ば敢えて失い続ける徹底的な不幸。そんなメンタルな時にはそうしがちってな具合に男をこれでもかと空っけつにする冷酷な描写。愛こそすべてなんだな。
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