似太郎

殺しの烙印の似太郎のレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.6
【おれがNo.1だ】

『ルパン三世』などの脚本を手掛けた大和屋笠と奇才・鈴木清順監督によるシュルレアリスム/不条理ハードボイルド。ストーリーにほとんど意味なんて無いが「No.1」の座を巡って争うマフィア同士の攻防戦を楽しもうではないか。☺️

元々がハイカラな清順監督だけに、全編洋画志向。なんとなくショーン・コネリーの『007』とか黄金期ハリウッド映画のテイストも其処彼処に感じられる。ストーリーは意味不明だけど、この際映像の遊びを楽しむにはもってこいな作品。中毒性の高い宍戸錠。監督の猟奇趣味&変態性が炸裂している。

とことん前衛的で破壊的でありながら、ちゃんと劇映画としての体裁が取れてる所がまた凄い。『ツィゴイネルワイゼン』もそうだけど結構娯楽映画として成立してる印象があり、ゴリゴリのアートという気がしない。清順は何を撮っても清順。ATG映画みたいに自意識過剰で暗くならないのが美点。
似太郎

似太郎