本日5月24日で鈴木清順監督、93歳の誕生日を迎えました。
数年前、最後にメディアでお見かけした清順さんは鼻に呼吸器のチューブを付けてらしたけど、今でも全然お元気なんですよね?
まだまだ長生きしてほしいし、やっぱり映画も撮ってほしいものです。
そんな彼のキャリアを語る上で決して避けることのできない問題作「殺しの烙印」
日活を支えた"エースのジョー"こと宍戸錠がハードボイルドな殺し屋に扮し、清順美学の初期衝動を端々に感じさせる怪作フィルム・ノワール!
突飛な展開、意味不明な演出、謎すぎる設定、不適なセリフ、前衛的な手法、違和感だらけのカット割り、支離滅裂なシークエンス。
真面目なのか、ふざけているのか、奇を衒ったのか、はたまた草でも食っていたのか…?
しかしこのツッコミ所満載な作風、変にそのリズムがどちらからともなく自分の意識と調和してくるもんだから不思議です。
これが日活社長の逆鱗に触れ、長らく映画界から干される原因にもなるわけですが、
このぶっ飛んだ奇抜な演出こそが「ツィゴイネルワイゼン」以降の唯一無二の世界観を作り上げる礎になっていることは間違いないでしょう。
防波堤のシーンなんてもうフランス映画です、ヌーヴェルヴァーグです。
この映像美を置き去りにし、清順さんの要望・要求に演出技量がまったく追いついていないミスマッチさは一周回って絶妙なメルティングポット。退廃ムードを加速させています。
殺し屋ランク第一位は一体誰の手に!
謎の共同生活とかいちいちツボです。
「殺し屋ナンバーワン」って聞くとダウンタウンのコント「世界一位の男」を思い出すのは私だけ?