Hagieen

三国志のHagieenのレビュー・感想・評価

三国志(2008年製作の映画)
3.6
ダニエル・リー監督、アンディ・ラウ主演。
原題:三國之見龍卸甲

三国志の五虎将のひとり、趙子龍にスポットを当て、劉備の子・阿斗を抱え単騎で敵陣を突破するエピソードに始まり、晩年の曹嬰との戦いを描く。

公開当時に劇場で鑑賞。

サモ・ハンが珍しくアクションを封印し、気の弱い兄貴分を演じる。
近年はヤクザの親分や大将軍など威厳のあるキャラを演じることが多いサモ・ハンだが、久しぶりの気の弱いキャラだ。

アンディはいきり立つ若い時分から枯れた中にも凛とした感じの晩年期を演じる。本作はアクションも多いので頑張っている。(サモ・ハンいるし)

ちょい役(と言っても関羽の息子)でF4のヴァネス・ウーが出ているが、この辺は監督やサモ・ハンとの人脈か。

曹嬰の部下をユー・ロングァン が演じているが、この手のスーパーサブ的な敵側の一目置かれるような役が多い。
本作でも使われ方は同様なのだが、やっぱりこの人がいると締まる感じ。本作では少し吉川晃司似に見えた。

そしてなんといってもマギー・Q。
曹操の孫娘・曹嬰は本作のオリジナルだが、北欧とベトナムのハーフなだけあって、エキゾチックな顔立ちは妖艶な感じで独特の存在感を放つ。
「我、人を欺くも、人、我を欺くべからず」
曹操の言葉を引用だが、まぁQ様がそういうなら仕方ないw
ユー・ロングァンも頷くしかない。

サモ、ヴァネス、Q様とこのキャスティングは「ドラゴン・スクワッド」の人脈なのね。
ダニエル・リーが後に監督するドニー兄貴の「処刑剣 14BLADES」の敵役は本作の曹嬰のイメージを踏襲している気がする。

三国志といえばTVドラマの「Three Kingdom 三國志」が傑作だったのだが、長大な物語の三国志を映画で描くには無理があるし、アレも描かなければと説明調になり物足りなくなる。
本作はそれらにあまり縛られず、大胆に削ってオリジナルを加味しているので映画として成り立っていると思う。
三国志映画って制作するのはムズカシイと思う。
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