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黄金時代のMovingMoviesのレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
3.5
【窓から司祭を捨てないように】
絵画のシュールレアリズムを映画に導入しようとするかのようなシーンがある。例えば馬車が屋敷の中に入ってくるようなシーン。異物の出現が、本作では衝撃を与えているようには見えない。絵画と異なり、馬車が屋敷へ入ってくるシーンで間延びしている。馬が動くので違和感がやわらいでしまう。
でもブニュエルの発明はここからで、「誰も反応しない」という映画にしかできないことを描く。
異常な事が起こっていても何も起こっていないかのように人々がふるまう。本作にも表れる人々の振るまいは『皆殺しの天使』に結実しているように思います。
良い子は窓から司祭を捨てたりしないでね😉