アラサーちゃん

恋ひとすじにのアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

恋ひとすじに(1958年製作の映画)
4.0
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〖恋ひとすじに〗
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ウィーン版ロミジュリ。
若き将校フランツは男爵の妻との関係を断ち切ろうとしていたある日、町娘のクリスティーネと出会う。初めは反りが合わないものの、次第に惹かれ合い、ふたりは恋に落ちていく。

主演ふたりがお姫様と王子様のごとく初々しく可愛らしい。日曜デートのシーンなんて、ここ最近こんなに幸せでうっとりする恋愛映画観たかなあくらいに胸きゅんでしかないのだけれど、このふたりの恋愛を取り巻く状況がすべてが過酷であるように思います。

いや、なんていうか、ストーリーだけを追って内容を咀嚼してしまえばそれだけなんだけど、そこをやっぱり深く掘り下げたい私は「当時のウィーンとはなんぞや」と思うわけです。
当時のウィーンの若手将校たちは、現代の田舎の消防士のごとくチャラいのか?とかさ。そういうことですよ。

解説サイトを読んでいると、

若い将校は上司や名士の娘と結婚する運命にある

若いうちに遊んでおくため、年上女性に恋の手ほどきを受ける

遊びなど知らない箱入り娘と面白みのない結婚生活を送る

結婚生活に飽きてきた妻は浮気する

何も知らない若い将校に手を出す

ふりだしに戻る

こんな恐ろしいサイクルが生まれるらしく、男爵が決闘を決意する理由や、フランツが彼女を「名家の生まれではない」と説明するシーンにも納得。
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それにくわえ、アラン・ドロンとロミー・シュナイダーが世紀の恋に落ちた作品となれば必見の価値ありでしょう。
なんていうか、このふたりのツーショットは世界の宝だと思うの。

アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、激しい恋に落ちたにもかかわらず、ふたりは最後まで結ばれることなく、互いに別の相手と人生を送った。それでも、ふたりの関係は、ロミーが若くしてこの世を去るまで切っても切れない絆で結ばれ、互いにかけがえのない存在として支えあってきた。
女優業という精神的重圧に耐えられなくなっていくロミーはしだいに仕事が減っていくが、そこでドロンがロミーを相手役に指名し、ロミーは再び這い上がっていく。しかし、波乱万丈な人生を送るロミーの悲劇は続き、最愛の息子の死の際にもドロンが彼女を支えた。