たく

アナタハンのたくのレビュー・感想・評価

アナタハン(1953年製作の映画)
3.3
第二次世界大戦の終戦直前にアメリカ軍の攻撃に煽られてマリアナ諸島のアナタハン島へ漂着した日本人の話で、「アナタハン事件」として知られる実話が基になってるんだね。「離島に漂着した男たちと一人の女」という構図が「東京島」そっくりだなーと思ったら、元ネタが同じで驚いた。

全編にわたって英語のナレーションがひたすら状況を説明していくのが鬱陶しく、ナレーションがセリフと被るのでたぶん英語字幕無しで公開されたんだろうね。この演出のせいで登場人物のキャラが全く立たず、ただの置物に見える。そんな中、ケイコ役の根岸明美の妖しい色気が光ってるのはさすがマレーネ・ディードリッヒを魅力的に撮ったジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督と思った。酒に酔って踊るシーンとか、ラストで陰影のコントラストが際立ったアップに魅入られた。

何度も繰り返される安里屋ユンタが印象的。ココナッツを発酵させた酒は飲んでみたいと思った。
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