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あにいもうとのhrt2308のレビュー・感想・評価

あにいもうと(1976年製作の映画)
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1953年版の水木洋子の脚本をそのまま使って今井正が監督。
戦後の日本映画をリードしてきた監督の一人・今井正だが、この作品では秋吉久美子、草刈正雄、池上季実子という当時の旬の人たちを使ってそれぞれの個性を引き出している。特にこの頃の秋吉久美子は可愛らしく型にはまらない存在感で光輝いていた。

ことあるごとにケンカする兄の伊乃吉(草刈)と妹のもん(秋吉)に、ヒヤヒヤする末の妹のさん(池上)の関係がいい。文句は愛情の裏返し。それにしても手を出しすぎ。
両親(大滝秀治、賀原夏子)も子供たちのことを心配している。

厳しく先鋭的な作品を撮ってきた今井正が、どこにでもあるような家族の日常を温かい視点で撮っているのが興味深い。

初鑑賞:1989/1/19 京一会館
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