shunsukeh

長ぐつをはいたネコのshunsukehのネタバレレビュー・内容・結末

長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画の主人公は猫のプスと腐れ卵のハンプティダンプティだ。プスはいわゆる優等生。行うべきことが分かっていてそれを行う心技体を備えその実行力もある。一方、ハンプティダンプティは賢くユニークな発想の持ち主だがコンプレックスを持っている。また、そのコンプレックスから、小さな悪事を積み重ねている。彼らは出会いを切っ掛けにお互いの無いところを補い合い、強い友情に結ばれる。しかし、ハンプティダンプティがプスをある大きな悪事に巻込むことで、友情が壊れる。「ハンプ」には「背中のこぶ」、「ダンプ」には「ずんぐりした人」という意味があり、そこから卵のキャラクターの名前に用いられるらしい。また、そこからの連想で、一度壊れると修復が不可能な事象や、一度倒れたら再帰不能に陥る人のことも表わすそうだ。つまり、この映画では、彼らの友情、彼らが互いを思う気持ちが修復不可能であることを暗示している。ハンプティダンプティは、プスを、黄金の卵を産むガチョウを手に入れ、また、更に、プス自身を陥れるために手を組む。しかし、このこと自体が、プスがハンプティダンプティに対する友情を抱き、また、ハンプティダンプティがまだプスに友情があることを信じていたことを示している。ラスト近くの彼らの命がけの場面で、彼らの友情はもう一度固く結ばれる。そして、壊れてしまったハンプティダンプティの中身は輝く黄金だった。ハンプティダンプティの慣用句としての意味は、この映画では覆された。
shunsukeh

shunsukeh