むるそー

ヴィデオドロームのむるそーのレビュー・感想・評価

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)
4.0
ケーブルTVの社長・マックスは、自局で放送する刺激的な映像を求め、作り物の香りがしない拷問映像"ビデオドローム"に出会う。彼はビデオドロームを求めオブリビアン教授という人物に辿り着く。その娘に渡されたビデオドロームのVHSは、生き物のように脈打っていた…

初クローネンバーグ。
劇中に"現実など認識の問題でしかない"という言葉が登場するが、まさにそれが本作のテーマであり、確かな説得力をもって見る側に伝えてくる。

ビデオドロームの真の姿とは、人に現実を超越するほどの幻覚を見せ人間を新たな段階に押し上げる為に生み出された催眠装置であることが明かされるのだが、それは現実と虚構だけではなく、スクリーンの内側と外側の境界線をも曖昧にして来る。われわれも何処かでビデオドロームを見てしまっているのかも知れないなぁ
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