1970年代イタリア映画の名作で、音楽はモリコーネ。邦題は「わが青春のフロレンス」。以上の事前情報から、フィレンツェを舞台にした若者の恋愛物語と思いこんでいたが、だいぶ違いました。
ペリツッア「第四階級」(1901年)という有名なイタリア絵画がある。第一階級は王族、第ニ階級は貴族・僧侶、第三階級はブルジョア、そして第四階級はプロレタリアート。
この第四階級をモチーフにしたような作品で、フィレンツェの貧しい社会運動家の息子が、プロレタリアートとして労働運動に励み、そこから足を洗う決心をするまでを描いている。
全体に生真面目なトーンなのだけど、それでも雇主の未亡人とアレコレしたり、葬儀の最中に一目惚れしたり、労働争議の最中に不倫したりする。さすがイタリアと感心した。
何はともあれ、フィレンツェの風景が美しく、懐かしい。また行けることがあるだろうか。