ことら

ハルのふえのことらのレビュー・感想・評価

ハルのふえ(2011年製作の映画)
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発展途上国の農村で、発電機を片手に移動映画を上映するボランティア活動をしていたのは、ほんの数年前。

世界中の子どもたちに映画と笑顔を届けるNPOの活動はとてもとても魅力的で

「もしも私が自分の子を持てなくても、子どもと未来に携わることに意義がある」と思わせてくれた

二度と戻らない、かけがえのない時間でした。

ほんの数年時は流れ

「我が子が生まれて初めて観る映画は何だろう」とおぼろげに考えた時

「あの時、カンボジアで上映した映画をもう一度一緒に観たい」と強く思うようになりました。

アンパンマンの作者、やなせたかし先生が遺した『ハルのふえ』

滅多に上映される作品ではないのに
なんと、それが品川図書館のこども映画会で上映されたのです。


初めて観た時には

「主人公の男の子が、音楽家になるという夢に出会い、自分自身に挑戦する物語」

だと思っていたのに

子どもを授かってから観返すと

「母親が子どもの未来のために、ずっと一緒に居たい気持ちを捨て、社会に送り出す別れの物語」

に自分の視点が切り変わっていたのにびっくりしたのでした。


相変わらず、やなせ先生の描くキャラクターは優しくてあたたかくて

美しい音楽と、色鮮やかな映像と
「自分自身で未来を選びとる」と言うテーマは

決して子どもだけじゃなく、今を生きる女の子や、将来を考えてふと立ち止まる人みんなに観てもらいたい、と思いました。


やなせたかし先生、夢を叶えてくださってありがとうございました。

https://ameblo.jp/momiyaaa/entry-12703562832.html
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