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ふたりのベロニカの一のレビュー・感想・評価

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)
3.5
ポーランドの巨匠 クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品

名前・顔・誕生日・音楽の才能までもが同じの、ポーランドとパリで生まれたベロニカというふたりの女性の数奇で幻想的な交流を描く

『トリコロール 赤の愛』同様に本作もイレーヌ・ジャコブが主演を務める
そしてそんな神々しい彼女をひたすら拝めるような映画体験だった

奇妙なストーリーにもかかわらず、単なるファンタジーとは片付けられない美しくも難解な作品ですが、不思議な心地良さすら感じられる

光の上手な使い方や、セピア調でありながら緑と赤をふんだんに使った色彩感覚はキェシロフスキ監督ならでは

セリフではなく心に直接訴えかけてくるような詩的で美しく繊細な映像表現は、タルコフスキー作品を彷彿とさせるほど幻想的
そんなひとつひとつの場面のどこを切り取っても画になる構図にうっとりしてしまう

美しい映像と美しい音楽を駆使し、画面いっぱいに映し出されるミステリアスな女性を、圧倒的に美しいイレーヌ・ジャコブが演じることによる物語への説得力が尋常じゃない
トリコロールの赤でも書きましたが、もはや彼女のための映画なんじゃないかとさて思えてくるほど
ストーリー云々よりも映画全体の詩的で美しい雰囲気を楽しむ作品かと👏🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅82% 🍿92% 〉
〈 IMDb 7.8 / Metascore 86 / Letterboxd 4.1 〉

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