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デスペラードのYYamadaのレビュー・感想・評価

デスペラード(1995年製作の映画)
3.6
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品)
デスペラード (1995)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: アントニオ・バンデラス
    サルマ・ハエック
・監督: ロバート・ロドリゲス
・製作費: $7,000,000
・興行収入: $25,405,445

◆オリジナル作品 (リメイク元)
エル・マリアッチ (1992)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: カルロス・ガラルドー
・監督: ロバート・ロドリゲス
・製作費: $7,000
・興行収入: $2,040,920

〈リメイク作品のポイント〉
・高額制作費のセルフ・リメイクにて、
 作品グレードを増強
・スター俳優の登用による、
 演技面の改善

〈見処〉
①1000倍の製作費!
 セルフリメイクの好事例
・『デスペラード』は、1995年製作のアクション映画。
・本作の舞台は、メキシコ国境の町サンタ・セシリア。恋人を殺され、自らも掌を撃たれ演奏家としての道を閉ざされたマリアッチの男(アントニオ・バンデラス)は、ギャングのボス、ブチョに復讐することを考えていた。
・友人ブシェミの協力を得て、ブチョが経営する酒場に行き、彼の手下達と壮絶な撃ち合いを繰り広げるマリアッチは、通りすがりの美しい女性カロリーナ(サルマ・ハエック)をかばい傷を負ってしまう。
・カロリーナはマリアッチを匿い手当てをするが、ブチョに悟られその手下達に襲撃されてしまう。襲撃を切り抜けたマリアッチは、かつての仲間カンパとキーノを援軍として呼び、ブチョと対決する…(Wikipediaより抜粋)。
・本作は、ロバート・ロドリゲスの「マリアッチ3部作」の2作目。前作『エル・マリアッチ』(1992)の1000倍の製作費をかけ、ハリウッドに初進出した長編映画第二回監督作品となる。内容は『エル・マリアッチ』からのストーリー接続が曖昧なセルフ・リメイクである。
・主演は、本格的アクションに初挑戦となるアントニオ・バンデラス。前作で主人公エル・マリアッチを演じたカルロス・ガラルドーは、今作では主人公の助っ人役で登場。また、バーの集金人役でクエンティン・タランティーノがゲスト出演している。また、サルマ・ハエック、チーチ・マリン、ダニー・トレホなどロドリゲス作品常連の俳優が集う最初の作品である。

②ロバート・ロドリゲス
・本作の監督は、メキシコ系アメリカ人のロバート・ロドリゲス。彼は、23歳のときに新薬の臨床実験のバイト料で賄った7,000ドルをもとに、メキシコのホームビデオ市場向けに製作した前作『エル・マリアッチ』が、サンダンス映画祭で観客賞を受賞。コロンビア映画により全米配給されるなど、一躍注目を浴びる。
・続く監督二作目となった本作では、ハリウッドに招かれ、製作費が700万ドルに拡大したが、その予算のほとんどは火薬に費やすことになった。
・本作では、彼の代名詞となる短いカットを重ねたスピード感のある銃撃戦や、大量のダイナマイト、馬鹿馬鹿しいガジェットが描かれており、既にロドリゲスの作風が確立されている。
・本作の成功により、スピルバーグから『マスク・オブ・ゾロ』から監督のオファーを受けたロドリゲスであるが、高額すぎる製作費に不満を示し、辞退したのが彼らしい。
・後作の『スパイキッズ』(2001)以降は、自宅のあるテキサス州オースティンに、自身の製作会社「トラブルメーカースタジオ」を構えて、自ら、製作・脚本・監督・撮影・編集・音楽・特殊視覚を務めるマルチすぎる映画クリエイターである。

③結び…本作の見処は?
ロドリゲスにとって、ノーラン監督の『メメント』のように、セミプロ監督がメジャー作品を手掛けたキャリア分岐点の重要作品。
○: 埃と火薬臭い、メキシコの田舎街を舞台にした英語劇のまさに無国籍映画。ロドリゲス作品が好きな人は、彼独特の編集手法が垣間見れ、退屈しない。
○: アントニオ・バンデラスとサルマ・ハエック。若くてはつらつなブレイク前の2人を見ることが出来る。
○: 低予算ながら、ラストのじゅうげきせんはなかなかの迫力。
▲: よくあるストーリー。物語や感情を楽しむ作品ではない。

〈リメイク作品の判定〉リメイク ○
演出    : リメイク ○
配役    : リメイク ○
特殊効果  : リメイク○
ストーリー : リメイク ○

素人時代のオリジナル作品を自らリメイクしており、本作が優れない訳はない。特に
特に俳優の演技力は、比較に出来ないほどの力量差がある。
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