こぅ

知らなすぎた男のこぅのレビュー・感想・評価

知らなすぎた男(1998年製作の映画)
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ド勘違い男コメディの決定版!!

アーノン・ミルちゃん*1製作、ジョン・アミエル監督による、
皆大好きビルマ主演の脳天気な【サスペンス・コメディ】。


アイオワ州に住むレンタルビデオ店の店員ウォレス(ビル・マーレー)は、ロンドンに住む銀行家の弟、ジェイムズ(ピーター・ギャラガー*2)のもとへ、自分の誕生祝いの為にやってくる。
しかし大きな商談を控えてそれどころではないジェイムズは、やむを得ずウォレスを演劇体験型ゲーム"ライブ劇場"に参加させてしまう。
役者志望だったウォレスは大乗り気。
だが、ウォレスがイギリス諜報部からの電話を間違って取り上げたことから、事態はまったく思わぬ方向に転がり始める…。


・脚本/作風
ジャジーなテーマ曲を
バックに 爆弾作り が意外にもスタイリッシュなOPクレジット。
自分の誕生日にプレゼントを貰いに弟の家を訪ねる冒頭から変わり者の兄=コメディのジャンルを早々に提示。
ん⁈不要な 茶番劇 が始まったかと思ったら、しっかり本題への導入/説明になっていたのも抜かりなし。

弟が兄に用意/発注したのは、
お金を払って、アドリブで役者/演技が楽しめるという企画、取り違えた公衆電話で本物の陰謀に巻き込まれ、役名スペンサー(実は本物)をもらってすっかり殺し屋/ヒーロー役に成り切るウォレスが笑える。

お供するヒロイン役は、
殺す筈だったローリー(ジョアンヌ・ウォーリー*3)。
危機を上手い具合に脱したり、相手とのやり取りも実際はすれ違っているのに何となく通じたり、それが脅威になったりするのが面白いし、アルフレッド・モリナ演じる 精肉屋の殺し屋 にも注目。

【裸の銃】シリーズが、
お馬鹿過ぎ(幼稚過ぎ)て合わないとすれば、本作は飄々としたビルマをキャスティングならではのアダルト/リアル寄りな作風だ。
オチ/ラストまですっトボけている。


・総評/見どころ
タイトルは、
原題からも神様ヒッチの【知りすぎていた男】を捩ったものと思われる。
三谷幸喜氏は、本作を 絶対観ている だろう。
偶々撃ったら、、
【サボテン・ブラザーズ】のように 本物の銃 が出てきた時点で 正気 に戻ってしまってからはパワーダウン⤵︎したが、本作は【ザ・マジックアワー】の佐藤浩一ように気づかないどころか、
結局、まさかの 最後まで気付かず は、史上最強の おめでた勘違い野郎/コメディ であろう。
ポイントで大笑い出来てもその他はスベってるコメディよりもバカ笑い無くもコンスタントにニマニマ/クスクスしていられる一定の 持久力 を持っている本作の方が断然優秀!
終盤、
事態を理解している弟のジェイムズさえも巻き込まれるのは、殆ど出番の無かった弟キャラも立たせている。
途中、ライトなカーチェイスも用意し、
クライマックスでは、
爆弾によるドキハラのタイムリミット要素もサラッと盛り込んでいる脚本は、コメディ置いといて、良サスペンス/アクションの理想型!!


*注記
*1
昔から注目してきた名プロデューサー、
A・ミルちゃんが手掛けたタイトル(一部抜粋)

・キング・オブ・コメディ
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
・ローズ家の戦争
・プリティ・ウーマン
・JFK
・フリー・ウィリー
・ナチュラル・ボーン・キラーズ
・依頼人
・エンパイア レコード
・ヒート
・LAコンフィデンシャル
・ディアボロス 悪魔の扉
・交渉人
・ファイト・クラブ
・ニューオーリンズ・トライアル
・Mr.&Mrs.スミス
・ブライダル・ウォーズ
・ファンタスティックMr.FOX
・運命の元カレ
、、、


*2
ジョアンヌ(34)は、ヴァルキルの元嫁。


*3
ピーターの吹替声優は、故 藤原啓治 氏。
吹替鑑賞もオススメ。


ビンタレベル★★★★☆
こぅ

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