かぐや姫によるヒットナンバーをモチーフに、嫁ぎ先から妹が逃げてきたことから始まる兄妹の奇妙な同棲を描いた作品。
本作と『赤ちょうちん』を機に、一躍スターへと大躍進する秋吉久美子が妹を演じる。
昔懐かし昭和映画のテンポで、どこからどう見てもお転婆そうなお嬢様が登場し喜劇になるかと思えば、序盤でチャップリンのポスターが剥がれかけるのを皮切りに、クセが強くなっていき、悲劇的な結末へと向かっていく。童顔なのに大人な美貌に振り回され、義姉をレイプしてしまう兄や、何事もなかったかのように親しくなっていく滑稽さは現代映画では描けない昭和イズムな内容。
キャラクターへの感情移入の隙はなく、ドラマ性には乏しいものの、秋吉久美子やひし美ゆり子の魅力には溢れた1作。
