アーリー

ルナのアーリーのレビュー・感想・評価

ルナ(1979年製作の映画)
3.2
近親相姦が扱われたなかなか攻めた作品。最後まではしやんかったけど、観たらあかんものを観てる感がすごかった。

母にとっては夫であり、息子にとっての父親がいないというのがこれほどまでに影響を与えるんや。愛が行き過ぎたというよりは、ぽっかり空いた穴を埋めようとして、母は息子に絡んだような描写。息子のほうはよくわからん。母との深いキスをあんな簡単に受け入れたのは何故か。嫌がるそぶりもなく、かと言って何か理由があって受け止めた感じでもない。ただただキスをしてるだけに見えて、意味が見出せなかった。セックスを一歩手前で辞めたのも、どういう気持ちがあって、どういう判断をしての行動だったのかが伝わってこない。
 しかも母と息子の近親相姦的な関係性は、息子の本当の親父とその母から受け継いだ関係みたいな、そこの連続性みたいなものを仄めかして終わる。何が言いたいのかわからず、消化不良感が否めない。

英語が使われてるのが新鮮。基本イタリアかフランスをメインに作品を撮ってたベルトルッチの中で初めてアメリカ人が主役やったんちゃうかな。作品の雰囲気は「ラストタンゴ〜」よりで、アート作品っぽいアプローチ。この監督は政治的なメッセージがある方が面白い気がする。「革命前夜」では主人公は自分の叔母と恋に落ちてるし、ベルトルッチそっち系の性癖あるんかな。
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