ろまらん

こわれゆく女のろまらんのネタバレレビュー・内容・結末

こわれゆく女(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

こういうお母さんのリアル、優しくご機嫌な時と躁状態で制御不能な時や怒ってる時とが交互に訪れて、子どもたちはみんなじっと耐えて嵐の過ぎ去るのを待ってるような、大好きなママだから。お迎えシーンからの痛々しさ。
旦那さんの仕事の描写も大切。友だちたくさん招んで、の気まずさも痛い。神経細くて弱ってる奥さんにガンガン言う旦那さん。だからこの原題か。イタリア式マッチョで育って、愛はあっても不器用で自分のやり方しか知らないし、自分も追い込まれて感情爆発させてますます悪化させてる感じ。どちらの両親も辛いし、火に油発言連発。
ラストに向けての子どもたち含めてのシーンは家族の修羅場。トラウマ案件。かわいそ過ぎでも切り上げずにとことん見せて、その後片付けて寝る準備するとこまで撮るのがカサヴェテスの凄み、最後軽めの音楽で、そして人生は続く感。不恰好な生き様にほんとの愛もあるのが浮き上がる。彼の作品で一番よくできてる印象。ローランズ礼賛。
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