菅藤浩三

クレオパトラの菅藤浩三のレビュー・感想・評価

クレオパトラ(1934年製作の映画)
4.0
セシルBデミルらしい、ダイナミックなセット。昭和11年世界恐慌から5年後にこのレベルの撮影してるとこに、日米の国力の差を歴然と感じる。アカデミー賞に複数ノミネートされ撮影賞をゲット。クローデットコルーベルは同じ年の或る夜の出来事のじゃじゃ馬お嬢さんでアカデミー主演女優賞をゲットしたが、クレオパトラにふんしたこの作品だと少し違和感なくもない。シーザーがエジプトにやってきてから死ぬまでを描写、ローマにとってエジプトが属国だったことが差別意識の源流にある。アントニウスのハートを陥落させるときのエンタメ集団にふんだんに園芸させる手管が、政治家クレオパトラのアタマの良さを表現していてよかった。他方、アクティウムの海戦の描写があまりにチャチ。
菅藤浩三

菅藤浩三