ポルりん

ウルトラマンタロウ 血を吸う花は少女の精のポルりんのレビュー・感想・評価

3.5
あ…ありのまま
今起こった事を話すぜ!

「触手プレイをする怪獣にZAT女性隊員が襲われていたと思ったら、通りすがりの酔っぱらいが怪獣を引きちぎって撃退した。」

な…何を言っているのかわからねーと思うが 
おれも何が起きたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
衝撃のアルベルトだとかマスター・アジアだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


上記のように基本的には「ウルトラマンタロウ」は作風が全体的に明るく、実にコミカルな話が多い。

しかし、本作はこれまでの話とは毛色が全く異なり、児童虐待やネグレクトなどかなり重いテーマとなっている。

大まかな内容としては、親から捨てられた「かなえ」という少女が、死んだ捨て子の怨念の化身ともいえる怪獣を利用して、自分を捨てた母親と社会に対して復讐するといったものである。

頭の悪いクソガキどもがしょうもない欲望を叶える為に怪獣を利用するケースは良くある。

だが、無邪気そうな少女が人を殺すために怪獣を利用するケースが今までのウルトラシリーズであっただろうか・・・。

いや、ない!!!


殺害方法も対象を触手プレイで気絶させた後、耳から血液を吸いつくすというエグイ方法を取っており、その殺人描写をしっかりと映している。

そしてその怪獣を利用している「かなえ」だが、一見すると無邪気な少女に見えるが、時折見せる生気のない表情と漆黒の瞳の中には、静かではあるが怨念じみたものが垣間見える。

正直かなり怖い。

最終的にはいつも通りウルトラマンタロウが怪獣を倒すのだが、「かなえ」は全く救われずに物語は幕を閉じる。

彼女は今後どのような人生を歩むのだろうか・・・。

どこかしら「帰ってきたウルトラマン」の第33話「怪獣使いと少年」を彷彿とさせるラストだった。

「ウルトラマンタロウ」の中では異例の鬱回であるが、ここで怪獣を倒して「かなえ」が救われたら児童虐待やネグレクトのメッセージ性が限りなく薄まってしまうので、個人的にはこのラストで正解だったと思う(子供向け番組として考えるとどうかと思うが・・・)。


最近、子供を虐待死させるニュースを幾度となく見るが言葉では言い表わせない程の怒りを感じる。

世の中には自分の子供を救いたくても救えない親がいるというのに、何故自分の子供を殺すんだ。

子供の虐待死ほど酷いものはない!

もう虐待死させた親は無条件に晒し首でいいんじゃないか?
ポルりん

ポルりん