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ミモザ館のadeamのレビュー・感想・評価

ミモザ館(1934年製作の映画)
3.0
戦前のフランス映画黄金期の巨匠としてルノワールやデュヴィヴィエらと並び称されるジャック・フェデーによるドラマ。
宿とカジノを経営する夫婦と彼らが愛すると共に悩みの種でもある義理の息子の物語です。
嫁姑問題がこの時代にも今と変わらずあったのは興味深く、しかもそこに近親相姦の雰囲気を漂わせるのはなかなか攻めた演出でした。
やりすぎればサイコスリラーと成りかねない所をギリギリのラインで踏み留まり、母としての愛情と嫉妬を混同したことが招く悲劇として仕上げているのが上手く、ラスト10分で感情を上下に揺さぶった末の救いのない結末とそっけない引き際などエモーショナルになりすぎない距離感も良かったと思います。
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