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すべてが狂ってるのotomのレビュー・感想・評価

すべてが狂ってる(1960年製作の映画)
4.8
このところ、20年くらい前に清順レトロスペクティヴで観た日活時代ものばっかり観てるけど、やっぱりどれも面白い。日本が、新宿が、葉山がほとばしってて、その熱量だけでクラッと来る。筋としては戦中と戦後派の断絶の壁ってよりは単に川地民夫の駄々っ子な具合でもあるんだけど、この手のキモい系なサイコな役柄がホント上手い。で、『現代では人間の間に善意の通じる場所がない。すべてが狂っているんだ』と狂った世相を反映しつつ、あちこちで狂った演出をする清順。チョイ役な吉永小百合(新人)が放つ、神々しいまでのオーラだけでも観る価値がある。
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