オープニングの内田裕也さんの日本語ロックをバックに暗い病院の廊下をストレッチャーが移動するだけの他愛もないカットのはずが、何故かきたコレー！の高揚感。
実際の三菱銀行人質事件の犯行を観たいと思ったら肩透かしくらうが、冷たい社会に復讐しようとする母と息子の話、付き合う男性達が大事件を起こす魔性の女性の悲話とどれも芯くってないけどいいとこ突いてる話として楽しめる。
DV男が30歳までにどでかいことするぞと奮闘するその先が銀行強盗というトチ狂った感覚がなんとも安いが十二分にあり得る。
物語上はズドンとパンチ効いてないが、時折ハッとする見せ方、演出が決ってる。
女性との最後の別れの場面での雨降らしからのこねくり回したカメラワークからのスローモーションなんて技法全部乗せみたいだけど格好いい。
床に這いつくばってキチンラーメンをかじる高橋惠子さんの顔！
別れたい女性にざる蕎麦を投げつけて、その蕎麦が女性の乳首にブラーンと引っ掛かったまま続けられる芝居のシュールさ！
強力な画多すぎ！
