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TATTOO「刺青」ありのTOTのレビュー・感想・評価

TATTOO「刺青」あり(1982年製作の映画)
3.5
ある銀行強盗殺人犯の半生。
事件は描かず、そこに至る様々な日常の積み重ねの中で浮かび上がる男の欲望と抑圧。
実際の事件から3年後に映画化してたんだなぁ…。
とにかく事件そのものが有名で陰惨で、犯人に一切の同情もないが、そういう男であるように演じる宇崎竜童はとてもいい。
そして渡辺美佐子の凄味。
要所要所で現れた時に、その後画面に映っていなくても息子である宇崎竜童に影響を与え続けるような、強烈な存在感。
暗く硬質な色香を放つ高橋恵子。
エンディングのハッシャバイ・シーガル(阿木燿子の素晴らしい歌詞)から、どこにも行けない悲しみが生まれる。
悲しい、ただ悲しい地獄。
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