Tom Cruiseと共に自身の出世作となったTony Scott監督作。
Ehud Yonayが1983年にカリフォルニアマガジンに寄稿した記事をもとに、Jack Epps Jr.とJim Cashの共同脚本。
打ち込み特有の軽い音…
静かなイントロで始まるオープニング。
「戦闘兵器学校」
その通称は…
TOP GUN
トニースコットお得意のオレンジ色の空を背景に空母の甲板で働く人々。
トニースコットが撮りたい画のために、空母の航行の方角を変えさせたことによる航路変更代金として25,000ドル(今のレートに換算すると58,000ドル、約600万円)を海軍に支払ったらしい。
大枚を叩いての贅沢な画は素晴らしい。
静かに静かなイントロでたっぷりと粘って…戦闘機の発進ファイヤと共にお馴染みのギターリフが重なる。
これだけでテンション上がる!
そしてすぐ歌が入り畳みかける!
ミュージック・ビデオとして優秀。
無駄にトムの裸が多い。
そして物語に何の関与もしない筋肉ムキムキの男だらけのバレーボール大会。
これには違和感しかないのだが、プロデューサーの指示で女性観客を取り込むために追加撮影されたんだとか…アホらしい。エロビデオ扱いの些末な方法論。
さらに飲み屋でナンパするトムクルーズ演じるマーベリックが、いきなりマイクで熱唱するのだが…ここに他のTOP GUNの連中が示し合わせたように加勢して、みんなで盛り上がって大合唱。
すると、お美しいKelly McGillis演じるチャーリーが横に座って…とマーベリックを招く。
そもそもトップガンの連中とは、初日じゃないの?会ったのって…前からの知り合いだったの?この日に方々から集められたんでしょ?違うの?
なんでマーベリックのナンパテクを、あのお馴染みのやつね…みたいな感じで盛り上げてんの?
それともパイロットあるあるで、あの歌でみんなナンパするのかな?それが主流?
この辺は、おざなり。
さらに、隣に座るも碌に会話もせずに、連れが来たと美女は連れと共に他の席へ。
少しの間。
美女が女子トイレに行くと、当たり前に女子トイレに侵入するマーベラスなマーベリック。
これだけで不名誉除隊確定案件ではないのか?
いきなり女子トイレに侵入されてるのに、美女の方は驚きもせずにウェルカムな描写をするところに、男根主義のマッチョイズムを感じて嫌な気持ちになる。
どうも上から目線で女性を捉えてるように見えてしまう。神経質かもしれないが…
特段なことも根拠もなく、当たり前にマーベリックと美女はデキてしまう。
いつの間にか、というか恐らく初めから惚れられてるし…目が合った瞬間からビリビリと来たのかしら。やはりパイロットは永遠のモテ職業だよってことで宜しいのかしら?
主人公というだけの理由で、絶世の美女が当たり前に好きになるというのは大概にしたほうがいい。そこは惚れるに当たっての描写が必要だろう…なぜ彼女は、彼に惹かれたのか?どこをいいと思ってるのか?あれだけの美女がなぜ彼氏がいないフリーの状態なのか?いろいろ掘れそうだけど…
そしてこの彼女は、実はトップガンが招いた民間の教官だったというのが次の日に明らかになるのだが…
そんなことあり得るか?
私の高校は男子校であったのだが、女性の教師は1人も在籍していなかった!
それはなぜかというと、血気盛んな性欲モンスターたちに囲まれると危険だからだ。
猿のようにSEXばかりする年頃の男だらけの中に女性教師がいたら、何が起こるか分からないからだ。危機管理能力というやつが働き、必ず起きるであろうことに、先回りで対策する…そう、女性教師を雇わないことを徹底すれば問題は起こらないのである。
若い女性は勿論のこと、年配の女性教師すら一切いなかった。そこはもう徹底していた。
このことから加味しても、筋肉ムキムキの体力自慢のパイロットたちしかいないトップガンという檻の中に、うら若い美人を入れることはないと思うんだけど…
トップガンなんてウチの高校よりも優秀な性欲モンスターの集まりだと思うけど…
いくら優秀だからといえ、民間から招くことはないのでは?まぁ映画だからね、いいんだけど…
あと、よくわからないのがレーダー。
レーダーには1機しか映ってなく、単独機だと安心してたら、突如として敵機が増え、レーダーにも急に敵機が反映するのは、どういう仕組みなんでしょう?
ステルス戦闘機なら、出来そうだけど…
まだまだステルス戦闘機のない時代。
レーダーにバレずに近づくことは出来るの?
綺麗に重なってたってことなのかな?
昔のナビにありがちな…
首都高のように下道と同じようなルートだと、高速に乗ったのか下道なのか、昔はナビがどちらか分からずに誤作動を繰り返してたけど…そういうことなのかな?
上下重なってれば、レーダーには1機にしか見えない…ってことなのかな?
それなら、その映像は見せてくれないと…なんで急に機体が増えたのか全く説明なし!
とにかく増えた!としか言わない…
もう一つ分からないのが、マーベリックの相方のグースは、なんで死んだの?機体から脱出する時に頭ぶつけた?顔から血が出てたように見えたけど…
飛び出すのは一瞬だから、よく見えなかった。ぶつけたように見えたけど…
でも脱出の時に上の窓にぶつかるなら、その脱出システムって不完全なシステムなのでは?そこでぶつけたら意味ないじゃん。
それとも水平きりもみで回りすぎたから死んだの?マーベリックは無傷なのに?
死んだ理由が分からない。
しかもこの事故のきっかけになった、マーベリック号の目の前を飛ぶアイスマンの機体が、全っ然撃たない理由は何ですか?
なんであと何秒、あの何秒と粘るの?何を粘ってたの?で結局、離脱するし…
なんかよく分からない。
本物の戦闘機は迫力あるのだが、空中戦での位置取りや状況は、非常に分かりにくかった。おもいっきり引いた画で古舘伊知郎あたりに実況させないと…
本編で同じ映像を使い回してるのもなんかな…
プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは【地上のSTAR WARS】を作りたかったらしいが…内容が余りにもなく、ただのMTV映画で終わってしまった。