Yuya

エルマー・ガントリー/魅せられた男のYuyaのレビュー・感想・評価

5.0
We remain a young nation, but in the words of Scripture, the time has come to set aside childish things

つい数年前もオバマさんが引用した一節だけど 本作のラストでも強烈に用いられ これほどまでに現代アメリカ そして資本主義の原点を 際どく的確に捉えてる映画って 他にないんじゃ…?

キリスト教を僅かでもかじってれば 福音派や復興運動の やや盲信的な部分を垣間見る事になるし
何より セールスマンや移動サーカス 果ては映画の原点さえもまた 聖書販売や布教活動から始まってる事実を踏まえて観れば この恐るべきトリックと突きつめた真意に 驚愕しないはずがない気がする

バート・ランカスターとジーン・シモンズの対比もまた ホント象徴的過ぎて 物語の説得力に拍車をかけてたなぁ
神に心酔して語る者と 神を雄弁に語る自分に心酔する者 しかしつまりは神を語る事自体がナンセンスというか 例えばひとつの結果に対し 何処までを神の意志と捉えるかなんて 結局はただのエゴイズムのように思えてしまうんだなぁ
そりゃ ビリー・サンデーも怒るわけだけど
この人も見事に この映画を体現するような運命に堕ちてったしさ

本当に不思議なもんで
聖書を売り歩き 街から街へと 阿漕なパフォーマンスを続けたアメリカ人
神社から神社へ渡り 阿漕な商売を開いて テキ屋を続けた日本人
宗教と商売と過剰な演出が密接に繋がってる両国が 共に経済大国になってるなんてね
究極の神は 究極の紙にもなるんだろうね

これ観てから続けて『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』とか攻めると わかりやすくて最高に面白いっ!
でもって ポールとマイケルの『Say Say Say』のPVに踊るとか レクター博士の教会の火事の話にほくそ笑むのもまた…
Yuya

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