スワヒリ亭こゆう

ミツバチのささやきのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
2.5
1973年の映画です。
フランコ独裁政権下に製作された本作は検閲を逃れるために直接的な政権批判を避けてメッセージを表面に出さずに作られているらしいです。

本作が日本で公開されたのは1985年。ミニシアターでヒットしたらしいです。
正直言って僕は面白くなかったし二度と観たくないかなって思います。

映画の批評家達は本作の中に込められたメッセージを紐解いて、それを物知り顔で語りたいんでしょう。はっきり言ってスノッブにしか思えないですね。
フランケンや毒キノコ、逃亡者、バラバラの家族、荒廃した村…色んな所にメッセージはあるんでしょう。そんなん知るか!って思いますね。

ビクトル・エリセ監督の最新作『瞳をとじて』が素晴らしかったんです。
で、本作を観て検閲下ではこんなにつまらない映画しか撮れなかったんだ…って思いました。
ビクトル・エリセはフランコの独裁政権を批判したかったはずです。自由に表現したかったはずですよ。
それなのに出来ない時代だった。本作は謂わば【負の遺産】である訳です。それを「あのシーンにはああ言ったメッセージが込められてる」「あそこはあのメタファーになっている」
遠く離れた日本の批評家は戦争も知らずに他人事の様にスノッブ野郎でしかならない。

この映画を観て好意的に受け止めれるほど、僕は人間が出来てないので大変つまらない映画でした。