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春婦傳/春婦伝のotomのレビュー・感想・評価

春婦傳/春婦伝(1965年製作の映画)
5.0
こちらも四半世紀ぶり。国家に仕える者たちの砂塵と荒廃の青春で、まぁ國は信用できんよなって云う。兵隊の鏡みたいな融通のきかない川地民夫を、あの手この手でどやしつける肉食系乙女な野川由美子の図。裸体から始まり色んなもんを晒しまくってて圧巻の演技。で、柱や壁を越えたパンニングやら清順らしい攻めてる心象風景の数々な感じなんだけども、特に素晴らしいのは、飛び交う銃弾の中を駆け抜ける→静寂やら炸裂前の静止画とか鳥肌もの。逃げるのが卑怯なのか、死ぬのが卑怯なのかって云う問いかけの重みは、自身が軍隊を経験してるからこそだわな。傑作。
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