matchypotter

スピード・レーサーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

スピード・レーサー(2008年製作の映画)
3.4
最近『グランツーリスモ』を観たから、と言うわけではないけれども。

“マッハ、ゴー、ゴー!♪”
“マッハ、ゴー、ゴー!♪”
“マッハ、ゴー、ゴー、ゴー!ぉぉ♫”

日本のタツノコプロ『マッハGOGOGO』を原作とする映画。2008年でこのCG色強めの映像クオリティはさすがワーナーパワー。

そもそもこの原作が1960〜70'sの作品で、SFレーシングアクションとしてかなりぶっ飛んでる。

だからと言うわけではないかも知れないが、それをCG駆使して実写化しようと試みたんだから、色々無邪気さと無謀さで、混沌とするのはわかる。

どんなに資金や権力、テクノロジーを持つ先進的な技術があっても、超えることができない“絆”、“信念”、“情熱”があると言うことを描く。
そこについては、いや、むしろ、そこだけを拠り所にこだわり抜いて描いていると言って良い。

それをどう評価するかは人それぞれだが、拠り所がないよりはあった方がブレや混沌を少しでも抑制できる、そんな印象を受ける。

ユアンマクレガーかと思ったら違う、エミールハーシュ。
この映画は彼ではなく、圧倒的に目を引く人物が2人。

“レーサーX”、見た目がもう圧倒的。DCの“ジャスティスリーグ”のヒーローの1人と言われても頷けるインパクト。

そして、もう1人。クリスティーナリッチ。
彼女の目、視線、存在に、釘付け。
この頃が若さとしてはピークぐらいか。こんな人類あり得るのか、というビジュアル。

美人すぎる。彼女こそがCGなんじゃないかと疑うレベル。
この頃の彼女は本当に至高の極み。めちゃくちゃ可愛いな。

可愛い彼女が途中から“主戦場”に上がってくる粋な展開。これだけでも十分に観る価値がある。

レーサーになることしか脳がない主人公の能力を買い、大企業がスカウトしにくる。
一方で、彼は家族ぐるみでレーサー稼業を営んでいて、結局家族の絆などを優先して、スカウトを断る。

そんな中、かつてレースで失ってしまった兄の死の真相が垣間見えはじめる。
その真相と陰謀を“レーサーX”らと追い始める。

家族を慮って、単独行動を取ったりするが、結局は家族の絆が彼に力を与える。

SFレーシング作品として、バーチャル感がかなり突き抜けている。
当時の技術も発展途上だから現在のクオリティと比較してしまうと比較にならない。

だけど、おそらく当時の技術最先端を注ぎ込んでいる印象はある。
少なくともそこを余すことなく伝えて、駆使しないと確実に進まない、形にならない映画。

何かを乗り越える時、過去に縛られたりでうまく立ち回れなかったり。

そんな時も、一緒にいてくれる人や支えてくれる人は必ずいる。
そんな前提と力への抵抗は、とても温かみがあって良かった。

真田広之、そこまで前面には出てこないが、この存在感。日本の誇りだ。

このレース、マリオカート以上に物理法則無視のジェットコースター&デスマッチレース。

色んな要所要所で、説明なしの“神がかり”かあるが、それもそれで“奇跡”であり、そうしたことも彼が信じるモノを突き詰めたことで起きることだと思えば。

最後のレースやあれこれは、もう、怒涛の勢いのパワープレイ。そこまで来れば、それに飲まれたら良いと思う。

“勝利のミルク”、牛乳で良いのか。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


F:2172
M:2897
matchypotter

matchypotter