松井の天井直撃ホームラン

天使の眼、野獣の街の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

天使の眼、野獣の街(2007年製作の映画)
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↓のレビューは。今はもうなくなってしまった映画レビューサイトに、鑑賞直後に投稿したレビューを。こちらのサイトに移行する際に、以前のアカウントにて投稿したレビューになります。

☆☆☆☆

ジョニー・トー作品で脚本を書いていたヤウ・ナイホイの監督デビュー作品。

※ 一昨年の東京フィルメックスで上映された時に観たかったのだが、満員で入れずに悔しい思いをしたのを思い出す。

警察特殊捜査班と、強盗団との間に展開されるスリリングな “ 君の名は ” 状態(笑)

ハイテク機器を使い、どんな些細な事も見逃さない警察。
ほんのちょっとした“匂い”を嗅ぎ分けては、沈着冷静に逃げ回る強盗団のボス。
しかし最終的には1対1、人間対人間による知力を使った“尾行”がモノを云う。

全編で緊張感溢れる場面が連続し、新人の“子豚”が“猟犬”に成長するまでの話になっています。
序盤で犬頭が話すジョークが、終盤のアクセントになっていて見逃し(聞き逃し)禁止です。

最後の最後で、それまで執拗な網の目をかい潜って来た割には「何だよ呆気ね〜な〜!」と思われがちではありますが、悪行非道の果ては“自分の身に帰る”として捉えて観る事が出来る。

ただし、高速道路上での銃撃戦が、やや中途半端ぎみに終わってしまうのがちょっと残念なところ。

『インファナルフェア』と比べてしまうと、2人の捜査官が運命的な人生を歩み、地獄の苦悩を受けるカルト性には及ばないものの。シンプルな作り込みながら、実に計算し尽くされたサスペンスの傑作だと思います。

※ 2008年だったかな?

(2009年2月1日シネマライズ DOWN theater)