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ヴァルハラ・ライジングの8bitのレビュー・感想・評価

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)
4.0
大好きなニコラスウィングレフン作品。
北欧神話を基にした、残酷で難解でスピリチュアルな冒険譚。

ストーリーはおぼろげで説明的な台詞も一切なし。
行間を読み、観た人がそれぞれに解釈できるような幅を持った映画ともいえます。
そしてなにより、この静謐で神秘的な映像世界には異様に引き込まれます。まさに神話のような異世界観。
船に乗って霧の中を進み、未開の土地にたどり着く一連のシーンなどは「地獄の黙示録」を彷彿とさせます。
様々な地形を映し出す大自然の映像は圧巻。時折挿入される残酷描写は容赦なし。ノイズ音楽みたいのがひっきりなしに鳴ってるし、おまけに主人公は最後まで一言も話さず。
「アポカリプト」や「300」のような歴史アクションを期待してしまうと、睡眠導入剤化すること間違いなし。

「ヴァルハラ」とは北欧神話における主神オーディンの宮殿のことで、「戦士の魂が集う場所」という意味もあるのだそう。
確かに映画の中では聖地エルサレムを目指す戦士たちの死が克明に描かれます。
そして「マイティ・ソー」でのA・ホプキンスがそうであったようにオーディンは独眼。
本作の主人公の名は「ワン・アイ」。
なんとなくこの辺にヒントがありそう。

ワンシーンワンシーンが強烈に印象に残り、何度も見返したくなるような魅(魔)力を感じます。
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