あざらし

暴走機関車のあざらしのレビュー・感想・評価

暴走機関車(1985年製作の映画)
3.4
「頼むぞ。ヤツを殺すなよ。
…俺が殺るんだ。」

日本の黒澤明監督が脚本を書いたものをアレンジした作品だそうです。

アラスカ州 ストーンヘイブン刑務所。
テレビからはニュースが流れます。ストーンヘイブン刑務所では無期懲役の囚人が酷い扱いを受けていたという裁判で囚人が勝訴したという内容でした。

刑務所所長は囚人を人間とも思わない人物です。
ジョン・ヴォイド演じるマニーは何度も脱獄を企て、所長に睨まれていました。

脱獄のベテランである主人公マニーと、それに付いてきた若い男バック。極寒の山の中から逃れようと見つけたのは機関車でした。さて…

暴走する機関車や電車の話は多くあると思いますが、この映画では偶然にも脱獄犯が乗り込んだ機関車の機関士が心臓発作で倒れてしまい…という設定です。

貨物列車なので、脱獄犯が乗っているとは誰も知る由はありません。
脱獄犯という加害者側の人間が、機関車事故の被害者になるという設定が面白いです。

途中、主人公らが自分たちの生きざまを振り返るシーンがあるのですが、最近の映画ではそういうシーンなくなりましたね。登場人物はこの時代の方がきちんと生きていました。

生きて捕まり、また地獄の刑務所に戻るか、暴走機関車と共に激突するか、120キロものスピードの機関車から飛び降りるか。

始めから最後まで、ハラハラドキドキのアクション・パニック映画でした。

「ここで待っていても死ぬだけだ。」
あざらし

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