ニャンおっ太

ビギナーズのニャンおっ太のレビュー・感想・評価

ビギナーズ(1986年製作の映画)
3.0
古くは「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル 」、近作は「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」などドキュメンタリー映画、Dexys Midnight Runners「カモン・アイリーン」Culture Club「君は完璧さ」のミュージックビデオを手掛けたジュリアン・テンプル監督のミュージカル。Eighth Wonderのパッツィ・ケンジットがヒロイン。デヴィッド・ボウイやシャーデーやTenpole Tudorのエドも出てるのが嬉しいところ。テディーボーイやモダニストや黒人ジャズメンがスタイリッシュで軽妙な懐古青春映画と思いきや「ノーザンソウル」「さらば青春の光」に繋がる時代背景の1958年ノッティングヒル暴動でのユースカルチャーと人種対立問題の関係を描いていて、この混沌からスキンヘッド文化やパンクが生まれるんだなあと思うと感慨深し。ある意味で「エンパイア・オブ・ライト」や「ディス・イズ・イングランド」に通じる部分もあり。エドガー・ライトは「ラストナイト・イン・ソーホー」で様々な過去映画オマージュしてるって言ってたけどコレにも影響されてる気がする。作品として未熟だけれど、華やかな劇伴とファッションと舞台美術でティーンエイジ奇跡の夏の喧騒を感じられるだけで充分満足。