あまのうずめ

オリヲン座からの招待状のあまのうずめのレビュー・感想・評価

オリヲン座からの招待状(2007年製作の映画)
3.2
留吉は昭和25年から半世紀続いた「オリヲン座」を閉館することとなり謝恩最終興業を行うと案内状を各位に送る。受け取ったヨシエは夫に一緒に行ってその後別れましょうと誘う。昭和32年、大津から出て来た留吉は食べるものも無く、オリヲン座の松蔵に雇ってくれと頼み込んだ。


▶︎浅田次郎原作短編小説を映画化。凛とした宮沢りえが美しい。

オリヲン座の松蔵・トヨ夫婦と留吉の部分とオリヲン座に通うヨシエとユウジの部分が上手く噛み合っていない感が強かった。

テレビ台頭による映画館離れ、松蔵以後のトヨと留吉への風当たりは、時を変えて今も通ずるものがあり身につまされる。

今作の目玉は配給会社を越え『君の名は』『二十四の瞳』『無法松の一生』等々の作品が流される点だ。娯楽が映画しかなかった時代に観客がスクリーンを見つめるシーン、フィルムだった時代の映写技師の仕事シーンを含む貴重な証言となっている。この部分の為に逆に原作を探したようにすら思う。

松蔵が削った鰹節をトヨが受け取り料理するところ好きだ。上原ひろみの「PLACE TO BE」のテーマ曲も良かった。

WOWOWの『浅田次郎特集』にて鑑賞。