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ラーマーヤナ/ラーマ王子伝説のmitakosamaのレビュー・感想・評価

4.1
これかなりの傑作だと思われるが、未ソフト化な上に日本語吹き替え版も無いようだ。(小声で:今回はツベにアップされているものを鑑賞)

インドの叙事詩ラーマヤーナのアニメーション映画で、日印共同制作。だが日本の主導で作られたようで、スタッフがジブリ系とのこと。
もう完全に絵柄がジブリだし、アニメーションの出来が凄く高い。

ヴィシュヌの化身・ラーマ王子はダシャラタ王の長男として生まれるが異母の陰謀により追放。
弟ラクシュマンと森に住み、美しき妻シータを得る。
だが小さなイザコザにより魔界ランカに住む魔王ラヴィナの怒りを買いシータ姫が拐われる。
ラーマとラクシュマンはシータ姫を救う旅に出て、ハヌマーンら猿族の協力を得てランカとの全面戦争になる。

基本的に神話系の物語なので、物語に紆余曲折がある。序盤は話が進まない印象があるし、終盤はバトルが過熱しているのに傷ついたラクシュマンを救うためにハヌマーンが薬草を採りに行くシーンなどが入り、テンポがズレる印象がある。
その意味では一般的な映画のフォーマットとリズムが若干違うので違和感はあるかも。(でも一概に悪いとは言えない。神話ってそういうモノだから。)

そして味方だけでも無く、敵の魔族であっても戦いに対して非常に義を重んじる。命をかけて戦った戦士には敵味方関係なく敬意が表される、武士道のような美徳がある。

中盤から話が加速するが、やはりハヌマーンの有能さが特筆だ。ヴィシュヌの化身であるラーマ王子よりも遙かに戦闘に貢献する。

物語は姫を救い出しメデタシメデタシで終わる。本来ならこの後ラーマがシータの貞操を疑い別れてしまうが後悔するというビターエンドが待ってるらしい。ここはカットして正解だったかな。

それにしてもアニメーションの素晴らしさに目を奪われる。90年代のジブリの良い所が全て投入されているかのような縦横無尽さ。
これはマジでソフト化希望。声優も一流どころを使って欲しい。期待を込めて★★★★☆
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