ぼのご

月曜日のユカのぼのごのレビュー・感想・評価

月曜日のユカ(1964年製作の映画)
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ユカを演じる加賀まりこさんが超絶可愛らしくて最初は頬が緩んだけど、段々とユカの空っぽ具合が痛々しく感じて心が痛んだ。

序盤に飲み屋で大人たちがユカのことを「いい子」だって噂しているのがどう考えても「都合のいい子」って意味合いで割りと本気で吐き気がする。
ユカは男たちを喜ばせたいと思っているけど、彼女が喜ばせられるのって最低な考えを持つ薄汚い男たちだけで、本当にユカのことを愛した人は段々傷ついていく。そうしてユカ自身も傷ついて、大切な人を失ったり最低な人間たちの振る舞いが度を越し始めて、ようやく自分の行いが間違っていることに気付くけど、その時には何もかも後の祭りのようで絶望感があった。
彼女のやっていることって魂を消費させる行いだったし、ユカは子どもだったんだと思う。終盤の展開はあまりにも可哀想過ぎた。

キスだけは誰にもさせない理由。幼少期に母親が男とキスをしているところを目撃したユカに対して、キスは邪悪な行いだと神父が激昂したことが原因だった。
でもこの神父が教えるべきことは、他にもっともっと幾らでもあったね。どうでもいい道徳観だけ部分的に過剰なまでに教えて、肝心なことは一切教えなかった神父にも憤りを感じた。

終盤の時点ではもうユカを可愛いという目線では全く見れなくて、ただひたすら可哀想に思えてつらかった。幸せになってほしかったな。あの後で再起してほしい……。お洒落な雰囲気だから皆あまり感じないのかもしれないけど、描かれていること地獄じゃないですかこれ。
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