『ロブスター』('15)と『聖なる鹿殺し』('17)で耐性を作っていたので大丈夫。ただ、相変わらず1回観ただけではワケがわからなかったので鑑賞後に考察系のブログなどに目を通して再挑戦しました。
何しろ『哀れなるものたち』('23)で話題だったヨルゴス・ランティモス監督が手掛けた出世作。そしてカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞もしている。でもルール説明が皆無なのには…。これはわからないですよぉ…。
このユーモアにわかりやすい説明がないのでシワのない私の脳みそだとピクリともしません。ただ、本作以降の作品のルーツ的なものは確認できたのでオーケーです(なにが)。
独自に定められたファミリールールのなかで暮らす箱庭世界(ここは『ロブスター』と共通するところがあるかしら)。20歳ぐらい?そこそこ年齢のいった長女、次女、長男の3人姉弟。高い塀にかこまれたある意味“無菌室状態”で育ってきたので生まれてこの方家の外に出たことがない。そして「お利口にしていたらプレゼント持ってサンタが来る」的な嘘を親は365日実践していたのです。
外が如何に恐ろしいところで、内にいることが如何に幸せかを無機質で乾いたユーモアで描かれます。そして長男の性処理のために外から連れてくる女性が持ち込んだあるモノによって超管理生活に変化が起きる、って話でした。
このユーモアが響けば栄誉あるショーレースの結果に納得するでしょう。私は『ロブスター』ほどは響きませんでした。ただ権威ある賞には弱いのでオーケーです(だからなにが)。
ヨルゴス・ランティモス監督は今後も観ていきたいと思います。