がちゃん

高校大パニックのがちゃんのレビュー・感想・評価

高校大パニック(1978年製作の映画)
3.8
「数学できんがなんで悪いとや!」
この台詞が強烈に印象に残る作品。
カテゴリー分けしたら青春映画になるのでしょうか。
でもそんな枠に収まらない強烈さがこの作品の中にはあります。
それから、M.ムーア監督の「ボーリング フォー コロンバイン」も今になると少し連想してしまいます。

北九州の中州高校。
三年生の田中祥司がビルの屋上から飛び降り自殺をする。
片手には数学の参考書を持って。

名門校の中州高校では翌日動揺が走る。
校長は、マスコミ攻撃から守るために、生徒達に自殺の無意味を説く。

田中のクラス3年7組は沈黙に包まれた。
しかし、担任の数学教師伊原は何事もなかったように平然と授業を続けるのだった。

この態度にクラスメイトの城野(山本茂)は激高し、担任を殴り倒して学校を飛び出してしまう。

そして、呆然としたままある銃器店まで来ると、無意識に一丁のライフルを手にして逃げ出してしまう。

学校では伊原の授業が続いていた。
まるでおちこぼれを無視するように・・・

「数学できんがなんが悪いとや!」
と叫びながら城野はクラスに戻り、担任の伊原を射殺してしまう。

学校は惨劇の舞台となってしまった。
たちまち警官隊は学校を包囲し、銃撃戦が始まる。
城野は3人の女生徒を人質にとって立てこもりを始めるのだった・・・

面白いです。
私も数学は苦手で、数学教師に何度むかついたかわかりません。
あくまでもイメージなんですが、数学教師って教え方も冷たい感じがしませんか?
(数学の先生読んでらしたらゴメンナサイ)

映画としては荒削りで、もっと洗練されてもいいのかもしれませんが、
屈折した高校生の鬱憤が息が詰まるほどに伝わってきます。

夏の汗をかきながらの授業(当時は当然エアコンなんかなかったです)の描写が息苦しさを増幅させてます。

出演者の中では、浅野温子が光ってました。
やっぱり大物になる女優さんって若い頃から何か違いますね。
話題作でした。

低予算映画は、作り手の熱気が伝わっていいです。
未見の方は、ぜひどうぞ!
がちゃん

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