キミシマユウキ

ミッドナイト・イン・パリのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.8
映画脚本家で現在は小説執筆を考えているギルは婚約者とともにパリに訪れる。ある夜、ほろ酔いで真夜中のパリを歩いていると昔懐かしい車に出迎えられて…

一年に一本というハイペースで映画を作り続けているウディ・アレンが脚本×監督のハイセンスオシャレ映画。
アカデミー脚本賞受賞作品。
タイムトラベル映画は片っ端から見ていくスタンスなのでオススメされて鑑賞。
今まで観てきたタイムトラベル系映画は下のタグ

#キミシマムザタイムトラベルセレクト

にてチェックだ!

おぉーい!
パリの芸術家が大好きなサブカル系集まれぇ~!

先に言っておくと自分はウディ・アレン監督の知識には乏しい。見たことがあるのは『それでも恋するバルセロナ』と『マッチポイント』くらいで、しかもそれはヒロインのスカーレットヨハンソンのHなシーンが見たかっただけというスケベな不届きものだ。なので彼の今まで映画の特徴などは比較できないが、とにかく今作は会話劇がテンポよくて楽しい。
議論、討論、口論、口喧嘩、とにかく様々な会話につぐ会話で視聴者に休む間も与えない。
それがとてもウィットに富んでいてシニカルで可笑しい。観ているこちら側賢くなれた気分で鑑賞できる。
さてタイムトラベルものといえば

・大好きなあの子を守るために…
・死んだ父を救いたい…
・あの事件を未然に防ぎたい…
・学校休んでフェス行きたい…

などシリアスでSFチックな題材のものが多いイメージ。
しかし今作は全くそんなSF感は欠片も感じない。どちらかといえばファンタジーで誰も死んだりしないので安心してもらいたい。
主人公が真夜中に迷い込むのは1920年代のパリで、そこにはフィッツジェラルドやらヘミングウェイやらサルバトールダリやらピカソなど芸術知識が皆無な自分でも知っている作家や芸術家たちとの出会いが溢れている!この時代のパリの芸術家に詳しい知識人の方々にはもうたまらない演出だろう。
そして主人公は現代への不満を抱き芸術の”黄金時代”だった頃に惹かれていくのだが…
その結末はご自分の目で!

主演は『ナイトミュージアム』シリーズなどのオーウェンウィルソン。
少し変わった鼻の形にいつも目がいってしまう彼の演技はとても自然で惹き込まれる。
婚約者役に『アバウトタイム』のレイチェルマクアダムス。
『きみに読む物語』でも大好きだった彼女、今作の役はそこまで魅力的じゃないかな??というより他の女性陣に少し食われている印象。
20年代の魔性の女アドリアナにマリオンコティヤール。
どこかで見たと思ったら『Taxi』シリーズのヒロインか!セクシーでスマートで奔放な女性を好演。今回はレイチェルを完全に食った。
他にも『アベンジャーズ』のロキ様でお馴染みのトムヒドルストンやらエイドリアンブロディやらレアセドゥなどフランス俳優勢ぞろいで意外と豪華だ!

4点に行かなかった理由としてはこれからウディ・アレンの映画を見比べてから加点減点しようかなという期待と、自分の芸術知識の無さに絶望したからだ。
この映画の登場人物はどこもかしこもパリに精通した知識人ばかり。あんな食事会に呼ばれても自分は

「ちょ、ちょっとフォースに乱れが…トイレ行ってきます。」

といって逃げてしまうだろう。ただパリに行きたい欲求はものすごく上がったので旅行先にパリを選んでいる方は出発前にこの映画を見ておくと現地でもっと楽しめるだろう!

ウディアレン監督好き、出演者のファン、そしてパリの芸術に興味関心が深い方にはかなりオススメの作品。