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天使とデートのすずのレビュー・感想・評価

天使とデート(1987年製作の映画)
4.0
社長令嬢のパティ(フィービー•ケイツ)とジムの婚約パーティーが催された夜に、ジムの家の庭のプールに天使が堕ちてきた。右翼が折れて傷ついた天使(エマニュエル•ベアール)をジムは看病する事になり、そこからドタバタの大騒動に発展していくが…。

〝THE 80’s〟なアメリカン•コメディで、ロマンチックなお伽話のような物語。

The Icicle Worksの『Understanding Jane』がいかにもな響きで彩って、めちゃくちゃいい♪

エマニュエル•ベアールが好きで、彼女の出演作品をたくさん観たけど、この頃のベアールはもう天使そのものというか、この世のものとは思えないような神々しい造形美で、見つめているだけで彼女の引力に吸い込まれてしまうような、脳内に快楽物質が流れ出すような、劇中のジムのトロけたような情けない目がそれを全部物語っている。あれは演技で出来る目線ではない。ガチだったと思う笑。かくいう自分も観ながらガチになっていたことは正直に記しておきたい。それほどに美しく愛おしい神聖な天使のエマニュエル•ベアール。

劇中の男たちも、パティのパパでさえも、立場など関係なく全員骨ぬきでウットリ。犬、猫、その他動物たちも全服従。これぞ、まさに天使のなせるわざなのか。

端に追いやられてヒステリックになっているフィービー•ケイツも、これまた可愛らしくて、さすがに触れてあげない訳にはいかない。もう両者のカワイイで溢れ返った、エンジェリック•ラブリィ•コメディといっても差し支えない。

映像は80年代のものだけど、永遠に変わらずに色褪せないベアールの美の結晶であり、キラキラと煌めいて、そこから連なる様々な感情で胸がいっぱいになるような、なんとも形容し難い、これもやはりノスタルジーに起因する感情なのか、切なくて、愛おしさに包まれた作品だった。

時間は流れていくけど、でも、天使が翼を広げて眼前を羽ばたくような、そんなひとときの夢の中では、時の鎖から自由になれるような気分に浸れる。そういう気持ちにさせてくれるファンタジーだった。
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