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スター・トレック5/新たなる未知へのMOCOのレビュー・感想・評価

2.0
「神は本当に居るのかね」(マッコイ)
「あそこには居なかったが『ここ』に居るかな、心の中に」(カーク)


 ウィリアム・シャトナー(カーク)の初監督作品『スタートレックV 新たなる未知へ』は1989年のゴールデンラズベリー賞の最低作品賞・最低監督賞・最低主演男優賞の不名誉なトリプル受賞作となってしまいました。
 レナード・ニモイ(スポック)監督による前作『スタートレックIV 故郷への長い道』が大成功を収めた背景での『スタートレックV 新たなる未知へ(原題Star Trek V The Final Frontier)』は原題通りシリーズ最終作の位置付けとして製作されたのですが、1時46分を費やしたストーリーはTV枠程度のストーリーのために低評価であったこと、興行収益が上がらなかったことが頷けます。


 並外れた知能を持つバルカン人サイボックは『神』に会うために惑星シャカリーに向かうため宇宙船を手に入れようとします。
 地球人、ロミュラン人、クリンゴン人を人質にしたサイボックは、救出に訪れたエンタープライズの乗組員をマインドコントロールしエンタープライズを乗っ取ってしまいます。
 サイボックは接する相手の心の痛みを解放する不思議な力を持っており、すでにこの街の住人は全員マインドコントロール
されており、人質劇も仕組まれたワナだったのです。

 カーク、スポック、マッコイは抵抗し幽閉されるのですが、船内で唯一サイボックと接していないチャーリーの判断で脱出します。

 サイボックはデッキに現れた経験豊富な3人と共に惑星シャカリーに降り神と対峙します。
 カークは神の要求に疑問を持ち、神に質問するのですが神は怒り狂いカークに暴行を加えます。
 神が自分の信じる神ではないことに気がついたサイボックは傲慢だった自分を恥じ、3人にここから逃げるように言うと神?と対決するために一人・・・。


 シリーズ最終作として制作された映画は神と対峙する壮大な話でありながらサイボックの思い違いだったというチンケな結末で、小ぢんまりとした最終作はトレッキー(熱烈なファン)達の間に大きな不満を生み出し、不満は抗議活動となり、パラマウントはもう一つ最終話を作ることになります。

 バトンされた監督 は第一話の3分の1以下の低予算で映画化した第二話『スタートレックII カーンの逆襲』でシリーズ化の成功をおさめたニコラス・メイヤー。パラマウントも抗議の大きさから採算がとれると踏んだのでしょうね。
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