ひでP

暗殺の森のひでPのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
3.8
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ベルトルッチ監督29歳の時の出世作。
1928年から43年までの、ローマとパリにおけるファシズムがおこってから崩壊するまでの間、性と政治に翻弄される青年の生き方に切り込んだ野心作。
原作はイタリアの作家アルベルト・モラヴィアの『孤独な青年』。
監督自らが脚本。アカデミー賞脚色賞候補となる。
撮影はヴィットリオ・ストラーロ。
陰翳とカメラ割りの使い方が秀逸。


第二次大戦前夜のローマ。
若い哲学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)。
少年の頃、彼を犯そうとした男を射殺し、今も性のトラウマと人殺しの罪悪感にさいなまれていた。
精神的な苦しみから解放されるためファシズムの世界へ身を置く。
秘密警察の一員となり組織からパリに亡命したクアドリ教授の身辺調査密命がおりる。
クアドリは大学時代の恩師で、反ファシズム運動の精神的支柱だった。
マルチェロは婚約者ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)とハネムーンを口実にパリに赴き、クアドリと彼の魅力的な若妻アンナ(ドミニク・サンダ)に接近する。
快く教授に迎え入れられたものの組織からクアドリを暗殺せよという新たな指令が下った。

【撮影、ヴィットリオ・ストラーロについて】
『暗殺のオペラ』(69)で初めてベルトルッチ監督と組み、『暗殺の森』『ラストタンゴ・イン・パリ』(72)『1900年』(76)とベルトルッチ作品を担当。
ストラーロに注目していたコッポラ監督は、『地獄の黙示録』(79)で彼を起用し、同作でストラーロは初のアカデミー賞を受賞。
近年はウディ・アレン監督作を手掛ける。
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