イランのジャファール・パナヒ監督作品。
2006年、首都テヘランで開催されたサッカーのイラン vs バーレーン戦…。しかも勝てばドイツワールドカップに出場出来るという大一番の試合会場でのリアタイで撮影…。セミドキュメンタリー…試合も勝つか負けるかわからない中での強行です。
パナヒ監督の発想はキアロスタミ監督作品の助監督を務め、それ故に受け継がれた実験的なものだと感じます。
イスラムの戒律ではイラン女性は男性競技をスタジアムで観戦することが出来ません。
でもどうしても潜り込みたい少女たちは男性に変装してゲートを通過しようとします…が、警備の兵隊たちに捕まりそのまま逮捕、そして隔離場所に入れられます。
やがてスタジアムから熱狂した観衆の声が轟きます…。
「どうして入れないの〰︎？見せてよ〰︎! 」
そしてこっそり覗き見している兵隊に…
「ちゃんと実況中継してよ〰︎! 」
兎に角ボヤく、ボヤく、ボヤき倒します…そのボヤきが面白い!! 見張っている兵隊たちもタジタジで掛け合いが絶妙です。
少女のひとりがトイレへ行きたくなるのですが…当然女子トイレは存在せず…男子トイレにも入れない…と兵隊は拒否!! 挙句、選手の顔のポスターをお面にして無事トイレへ…。
しかし隙を見て、そのまま逃亡!! ……でも暫くして戻って来ます。見張っていた兵隊が罰せられると思ったから…なんて優しいの〰︎!
またひとりは兵隊の服を着て潜入…賢い! しかし軍法会議にかけられると知り大号泣! 将校の服なら死刑かも…?!
カルチャーシュックが大きすぎますが…面白い!!
イラン…面白い!!
確実にイランでの上映は禁止されましたが、体制批判というよりは、笑って吹き飛ばす作風が観ていてほっこりします。
中東映画は(宗教)紛争のイメージが強いですが‥こういう楽しい作品がもっと観たいです。
そして試合結果は……!!
ラストもゆる〰︎い終わり方でチルい!
もしも試合結果が逆だったら…どんな作品になったのでしょう？
thanks to; のんたんさ〰︎ん ✩°̥࿐୨୧
