若者たちの夢と挫折と希望を鋭く描いた青春群像劇。
ダンプカーが疾走する場面は若者たちの熱い想いを感じさせる。だが、現実の厳しさに悩み苦しむ。それでも、前を向いて歩く姿に希望の光が見えたような気がした。
出演者は演劇畑を経験した俳優たちが揃う。いわゆる同じ釜の飯を食う仲間には演技に対する連帯感がある。共に笑い、共に泣き、共に叫ぶ。当時の若者たちの姿を具体的に表現できたのではないだろうか。
この作品の後、石立鉄男はテレビドラマで活躍。前田吟は寅さんシリーズで存在感を示す。2人の共演は珍しくそれぞれの熱演に見入った。固い友情が羨ましく思う。
監督は東映から深作欣二が参上して容赦のない暴力描写はあるものの、若者の熱量に松竹らしい人情味が加えられてたいへん見応えのある作品に仕上がっている。
小川眞由美は人間味に溢れた台詞回しにジーンとくる。シリアスな役柄なのに化粧の濃さが目立ってコメディエンヌぶりを発揮していた笑。面白い女優さんだ。
「君が若者なら」予告編🛻
https://youtu.be/4JEqNxXu3es